利用料金の領収証は発行してもらえますか?

民法の勉強をしていると、「同時履行の抗弁権」という概念を学びます。たとえば、お店でおにぎりを買うシーンを想像してください。

Aさんはおにぎりをレジに持って行って、「このおにぎりをください」といいます。店員のBさんは、「〇〇〇円です」と代金を請求してきます。Aさんはお金を支払えば、おにぎりをもらえて食べることができます。

きわめて当たり前のお話です………ちょっとむずかしいお話をすると、AさんとBさんはおにぎりの売買契約を締結していることになります。さらにむずかしいお話をすると、売買契約の当事者であるAさんとBさんの双方にはそれぞれ権利(債権)と義務(債務)が生じています。

[Aさんの義務] おにぎりの代金を支払うこと
(反対に、Aさんはおにぎりの引き渡しを求める権利があります)

[Bさんの義務] おにぎりを引き渡すこと
(反対に、Bさんはおにぎりの代金を請求する権利があります)

このように契約当事者のお互いが義務(債務)を負担して、お互いが対等な関係にある契約を「双務契約」と呼ぶのですが………

もし、Aさんがお金を払わなかったらどうでしょうか?………当然、Bさんはおにぎりを渡さないでしょう………ごく当たり前の話ですが、民法にはしっかり規定があります。

[民法533条] 双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行(債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行も含む。)を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。………(略)………

つまり、お金を払わないAさんに対してBさんがおにぎりを引き渡さないことは、法律的にも認められる権利なのです。この権利を「同時履行の抗弁権」と呼ばれています。

法律系のテストの問題では、『「何」と「何」は同時履行の関係にあるか?』…が論点になっているものがあります。じつは同時履行の抗弁権が認められないケースもあります。よくある問題では、お部屋の賃貸借契約の終了によって生じる貸主さんの「敷金の返還」と借主さんの「建物の明渡し」は同時履行の関係にないとされています。でも、土地の賃貸借契約の終了によって、土地に建てられた建物を買い取ることになったときに生じる貸主さんの「建物の買取代金の支払い」と借主さんの「土地・建物の明渡し」は同時履行の関係にあるとされています。この点はいろいろなケースを暗記するしかありません。

さて、領収証のお話です。

お店でお買い物をしてお金を支払ったとき、みなさんはレシート(または領収証)をもらうと思います。では、「お金の支払い」と「領収証の発行と交付」は同時履行の関係でしょうか?

じつは同時履行の関係にあると考えられているようです!つまり、領収証の発行がされない間はお金を支払わなくてもいいことになります。また、民法には「弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる」という規定(486条)もありますので、請求があったらお店の人は発行しなければならないことにもなっています。
(ただし、特別に領収証を発行しない旨を約束している場合は除きます。)

当社のマンスリーマンション契約では「現金払い」はもちろんのこと、ご要望があれば「振込払い」でも領収書を発行致します。領収証がご入用の際は、お気軽にお申し出ください。

(領収証の宛名について)物品の購入代金や飲食の代金とは異なり、賃貸借契約では契約書が存在します。この場合で、契約書の名義人と領収証の宛名が異なると法令上の疑義が生じると考えられます。領収証はあくまでも金銭を受領したことを支払人に証するものとされています。そのため、領収証の宛名につきましては契約名義人と同じにさせていただきます。「上様」、「空欄」、「契約名義人とは別人格」を領収証の宛名記載のご要望はお受けできませんのであらかじめご了承下さい。

(クレジット決済の場合について)領収書は金銭や有価証券の受領事実を証明する目的で作成されるものになります。クレジット決済の場合には、信用取引により商品やサービスを提供するものであり、その際に金銭等の受領事実がありませんので当社が領収書を発行する義務は法律上ありません。ではございますが、ご要望がございましたら国税庁のホームぺージの記載に準じた発行を致します。詳しくは、国税庁のホームぺージで「クレジット決済の領収書」と検索すると内容を確認することができます。

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